
学長挨拶

奈良県立医科大学開学80周年及び
新キャンパスオープンを迎えて
このたび、奈良県立医科大学は開学80周年という重要な節目を迎えるとともに、新キャンパスの開設という新たな一歩を踏み出しました。
本学は、昭和20年(1945年)に奈良県立医学専門学校として創設されて以来、幾多の変遷を経ながら発展を遂げてまいりました。昭和27年(1952年)には新制大学として奈良県立医科大学医学部医学科が設置され、現在では医学科・看護学科を擁する医科大学として、医療人の育成と医学研究の発展に努めています。
そして本年、新キャンパスが供用開始となりました。この約12ヘクタールの広大な敷地に建設された新たな拠点は、教育・研究環境のさらなる充実を図るものです。この歴史的な機会を迎えることができましたのも、歴代の学長・教職員のたゆまぬ努力と、奈良県知事をはじめとする関係各位、そして卒業生の皆様の温かいご支援の賜物であり、心より感謝申し上げます。
近年の本学の大きな進展の一つとして、「一般社団法人 奈良先端医工科学連携機構」の設立が挙げられます。本学と奈良先端科学技術大学院大学は長年にわたり連携を深めてまいりましたが、その成果として、令和6年(2024年)12月に本機構を設立いたしました。これにより、両大学の強みを融合し、医工学融合分野におけるイノベーションの促進や人材育成拠点の形成を目指します。最先端の研究を推進しつつ、次世代を担う研究者の育成にも注力してまいります。
また、本学では令和6年(2024年)4月に大学院看護学研究科博士後期課程を新設しました。奈良県内において、博士(看護学)の学位を授与できる唯一の機関として、高度な専門知識と研究能力を有する人材を育成し、地域医療の発展に貢献することが期待されています。一方で、附属病院の整備も着実に進めています。
平成28年にはE棟が竣工し、現在は老朽化が進むA棟の機能強化を目的とした新A棟の整備計画が本格化しています。本学の医療・教育機能をさらに充実させるため、最新の設備を備えた病院にし、患者・医療従事者双方の利便性向上に努めてまいります。特に、高さ制限の見直しを通じて、より効率的かつ機能的な病院設計を進め、質の高い医療提供を実現していく方針です。
これまでの80年間、本学は医療・医学研究の発展に貢献し、多くの優れた医療人を輩出してまいりました。今後も社会の期待に応え、医療の未来を切り拓いていく所存です。引き続き、皆様の温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
理事長・学長 細井裕司